DAISYコンソーシアムで現在進行中のプロジェクト

2019/11/29

DAISYコンソーシアムで現在進行中のプロジェクトについて、ウェブサイトで公開されています。
https://daisy.org/activities/projects/

以下に日本語訳を掲載いたします。

プロジェクト
①アクセシブル・ブック・コンソーシアム(ABC)
②インクルーシブ出版事業
③EPUB テスト
④EPUB Check
⑤アクセシブルなEPUB 3のベースライン
⑥音楽点字
⑦TIES


 

①アクセシブル・ブック・コンソーシアム

アクセシブルブックコンソーシアム(ABC)は、世界知的所有権機構(WIPO)が主導する官民パートナーシップです。 ABCの目標は、点字、音声、電子テキスト、大活字などのアクセシブルな形式で世界中の書籍の数を増やし、全盲、弱視、また、プリントディスアビリティーのある人々に利用できるようにすることである。
ABCの諮問委員会は技術的な専門知識を提供し、透明性と、ステークホルダーとの効率的なコミュニケーションを確保している。 デイジー(DAISY)コンソーシアムは、ABC諮問委員会のメンバーであることを誇りにしている。

・ABCの焦点
アクセシブルな出版
ABCはすべての読者が完全にアクセスできる、初めからアクセシブルな出版物を作り出すことを促進している。つまり、同一の出版物が誰でも使用できるべきである、という理念をもっている。

ABCはすべての出版社に以下のことを奨励している:
•デジタル出版物の製作にEPUB3標準のアクセシビリティ機能を使用すること。
•小売業者、書籍サプライチェーンのその他の関係者に提供している製品の情報にアクセシビリティ機能の説明も含めること。

ABCインターナショナルエクセレンスアワード、ベストプラクティスガイダンスやオンライントレーニングツールなどの対象を絞った活動を通じて、ABCは主流のアクセシブルなeコンテンツの製作を促進することを目指している。

ABCグローバルブックサービス
ABCグローバルブックサービスは、視覚障害者用図書館やプリントディスアビリティーのある人々を支援する組織―権限を与えられた機関(AE: Authorized Entities)にサービスを提供し、必要なアクセシブルなコンテンツを簡単に入手できるオンラインカタログである。 本サービスは、実用レベルでマラケシュVIP条約の目標をサポートしている。

キャパシティー・ビルディング
ABCは、発展途上国および後発開発途上国でプロジェクトを確立し、以下の機関に技能訓練と技術支援を提供しています。
・プリントディサビリティのある人々にサービスを提供するNGO
・教育業界
・商業出版社

②インクルーシブな出版事業

メニュー
・目標
・ガバナンスと支援
・活動

・目標
インクルーシブな出版事業の目標は、主流の出版物をプリントディスアビリティーのある人を含むすべての人にアクセシブルにするために知識を共有することである。 本目標は、誰もが同じ形式で、同時に、同じ価格で利用できるアクセシブルなコンテンツを作成、配信、閲覧するための最良のアプローチができるように、最新の信頼のおける記事とリンクを提供している。

・ガバナンスと支援
インクルーシブ出版事業は、デイジー(DAISY)コンソーシアムによって調整および管理され、主流の標準に貢献し、ベストプラクティスを促進するためのガイドラインを開発し、アクセシブルリーディングシステムの認知度を高め、インクルーシブ出版のオープンスタンダードをサポートしている。
私たちは、出版社、技術系企業や障害者を代表するさまざまな国際組織と協力しており、私たちの活動のすべてにおいて彼らと連携し、取り組んでいることを誇りとしている。

・活動
定期的なブログと記事-これらには、アクセシブルな出版コミュニティ内で最も影響力のある重要な思想家からのケーススタディ、インタビュー、意見が含まれる。
ニュースアイテム-コミュニティにおける最新情報の入手
イベント情報-すべてのアクセシブルな出版関連イベントは、イベントページを介して公表・通知され、登録および参加の方法を詳しく説明している。
ニュースレター— Inclusive Publishingニュースレターにサインアップして、業界ニュース、アクセシビリティイベント、さらにより広範なアクセシビリティコミュニティへの参加方法に関する詳細な情報をこのニュースレターで入手できる。
このニュースレターは、アクセシブルな出版の最新の考え方と開発に関する情報を掲載し、すべての分野において十分な説明を受けられるようにしている。
・コミュニケーション— Twitterで@includepubをフォローし、つながっていてください!

➂E-PUBテスト –リーディング システム テスト

メニュー
・目標
・参加
・結果

・目標
E-PUB図書を読み込むためには、アプリやハードウェアデバイスなどのリーディングシステムが必要である。 図書やリーダーは両方とも、特徴や機能が異なる場合がある。 障害のある人の場合、どのアプリがその人にとって学習により優れているか、あるいは最新の小説を楽しむときにより素晴らしい読書体験を提供してくれるか? epubtest.orgは、これらの質問に答えるためのeリーディングのアクセシビリティ評価を提供することを目指している。(電子書籍において様々な機能を使用して電子書籍リーダーがどのように機能するかを調べることによって)

テストの結果の詳細や要約はオンラインで公開されている。これにより、開発者は製品を改善でき、消費者と団体利用者はニーズに合ったソリューションを選択することができる。

・参加
データはボランティアとして時間を提供してくれる、世界中の大勢の専門のテスターから継続的に収集され、そのテストはデイジー(DAISY)コンソーシアムによって調整され、誰でも参加することができる。参加したい場合は、epubtest@daisy.orgまでお気軽にお問い合わせください。招待状を受け取ったら、メールで送信された指示に従ってアカウントをセットアップするだけです。

・結果
詳細な結果はepubtest.orgで入手できる。また、当社のニュースと情報のハブであるInclusive Publishingで概要や要約を読むことができる。

④EPUBCheck

メニュー
・概要
・現状
・詳細情

・概要
EPUBCheckは、電子書籍の制作プロセスにおいて重要な役割を果たし、EPUBファイルを仕様と照合してバリデートしている。 EPUB仕様は時間とともに進化しているため、EPUBファイルの作成と検証に使用するツールを最新の状態に保つことが重要である。 多くの小売業者は、EPUBCheckによってバリデートされたEPUBファイルを必要としている。
W3Cの出版ビジネスグループはEPUBCheckを更新するための提案を要求し、入札競争プロセスに従って、デイジー(DAISY)コンソーシアムが更新を実行するための以下の事業を委託された。

・EPUBCheckを、HTML、CSS、およびSVGの活発的に進化するコアWeb仕様、およびEPUB 3の現在のバージョンとの同期化。
・EPUB アクセシビリティガイドラインを完全にサポートし、すべての人が製品を使用できるようにする。
・(W3Cバリデーションサービスと連携して)HTMLバリデーションやメディアオーバーレイのより良いチェックなどの新機能を追加する。
・バグレポートおよび機能要求への迅速な対応により、出版業界により良いサービスを提供する。
・本業務はEPUB Checkツールを使用する団体からの寄付によって賄われている。スポンサーレベルはさまざまであるが、EPUB Checkを更新および総点検するためのこの取り組みを支援するために、あらゆる寄付を歓迎している。 詳細については、Publishing @ W3Cの資金調達ページをご覧ください。

・現状– EPUB Check 4.2.2バージョン
EPUB Checkの最新の製品リリースは2019年7月に行われ、EPUB 3.2の仕様群への適合性をチェックするための完全なサポートを提供している。
4.2.2バージョンは、次のメンテナンスリリースである。

最近のEPUB CGの議論を受け、見出しおよびページリストのナビゲーション順のチェックを単なる警告(以前はエラーであった)に戻している。
・新しい翻訳が含まれる。(特に繁体字中国語用)
・詳細情報
アップデートとバージョンリリースの詳細については、EPUB Check開発サイトにアクセスしてください。

⑤アクセシブルなEPUB 3のベースライン

EPUB 3は、オープンWebプラットフォームとHTML5に基づいている。 私たちは皆、Web アクセシビリティ イニシアティブ(WAI)によって行われた作業の恩恵を受けており、EPUB 3の機能の多くは、出版社からの追加的な作業の必要もなく、障害のある人にとって有用である。 同時に、従来のパブリッシャーワークフロー以外の注意が必要な特定のアクセシビリティ要件がある。 EPUB Accessibilityの仕様をご確認ください。
Google.orgの助成金は、出版社が障害の有無に関係なく誰でも読むことができる電子書籍を作成できるように、私たちの出版社向けのツールの開発に役立った。

・目標
電子出版物のアクセシビリティ要件を定義するための業界全体の仕様を作成する。
出版社から配送者/小売業者をとおして、エンドユーザーまで、サプライチェーン全体の実装をサポートするためのインフラを開発する。

・プロジェクト活動
EPUBアクセシビリティ仕様と認証の開発-出版物をアクセス可能にするために出版社が行う必要があることを定義し、アクセシビリティ認証を使用してその実装を促進する。これには、アクセシビリティメタデータとコンテンツアクセシビリティの両方が含まれる。

出版社がベースラインアクセシビリティの仕様を実装するのを支援するアクセシビリティチェックツールを開発する。特に、アクセシビリティ関連の警告とエラーを強調表示し、推奨事項を提供する。このツールは、第三者や消費者(教育機関の調達オフィスなど)が発行者やコンテンツ作成者のアクセシビリティの主張をチェックできるようにするためにも不可欠である。エースバイデイジーAce by DAISY。

リーディングシステムのアクセシビリティの評価—リーディングシステムの基本的および高度なアクセシビリティテスト基準を定義する。開発者にフィードバックを提供するためのリーディングシステムの評価。教育機関および読者への通知。リーディングシステムテスト

インクルーシブ出版情報ハブの開発― 出版社、技術系企業、教育機関及び読者を対象としたインクルーシブな出版および読書に関する情報を、アクセシブルな出版リソースであるinclusivepublishing.orgとともに普及させる。

・プロジェクトのガバナンスと管理
この4次元プロジェクトについて、George Kerscher氏とAvneesh Singh氏が共同議長を務めている。 彼らはガバナンスチームを立ち上げ、プロジェクトの各次元はそれぞれの分野の専門家によって主導される。

⑥音楽点字

・目標
私たちの目標は、世界中の視覚障害者ミュージシャンがより多くの楽譜点字をより簡単に入手できるようにすることである。
本プロジェクトは、音楽点字制作の将来を確保するための短期および長期の改善を特定し、優先順位をつけたうえ、実施するための横断的なコラボレーション事業である。

・背景
視覚障害者用図書館およびその他の機関の図書館は、研究、娯楽、または職業上の目的で視覚障害者ミュージシャンが頼るハードコピー点字制作の将来を確保したいと考えているが、これらの団体は予算と専門知識に関してますます厳しい制限に直面している。
本プロジェクトは、視覚障害ミュージシャンにとってのデジタル音楽技術の利点を否定するものではなく、現に、私たちの仕事の一部はそれらの発展に情報を提供しているが、紙面における音楽点字は今後何年も多くのミュージシャンにとって不可欠であり、私たちはこのサービスを 高い費用対効果の方法で守りたい。
2017年10月、みんなで協力すれば、個々にできる以上のことが達成できることを認識し、ノルウェー録音図書点字図書館(NLB)は、関係者にソリューションを見つけるための共同事業への参加を求めた。興味のある方はぜひご参加ください。

・キーパーソン
本プロジェクトは、ノルウェーのNLBのArneKyrkjebø氏が主導し、Sarah Morley Wilkins博士が英国のプロジェクトマネージャーおよびコンサルタントとして務めている。中国のHaipeng Hu氏は、プロジェクトコンサルタントとしてプロジェクトを支援している。

・私たちの焦点
これまでの作業を通じて、音楽の点字の量を増やすために改善すべき4つの領域を特定した:
既存の入力ファイルは、開始時に使用してもよいほど、良好なものでなければならない。
変換およびマークアップツールは、エージェンシーおよびエンドユーザー向けに、正確で信頼できるものでなければならない。
既存の中間ファイルへの適切なアクセスが必要である。
優れた教育、学習、模範的な資料が必要である。

最初、プロジェクトの焦点は、最初の3つの領域にあったが、他のグループが現在、教育、学習、および模範的な資料に取り組んでいるかどうかを知りたい。
ぜひご参加ください。
回覧リストに参加したり、本プロジェクトに積極的に参加したい場合は、ご連絡ください。musicbraille[at] daisy [dot] org
音楽点字の最新の開発状況をご確認ください。

⑦TIES—包括的EPUB 3エコシステムへの移行

メニュー
・提起された質問
・ロードマップ
・生産プロセスとシステム
・出版社関係
・リーディングシステム

・プロジェクト管理と参加
インクルーシブな出版は、印刷物に対してハンディをもつ障害者向けの読み物のより広範な利用可能性に向けた鍵を握っている。これにより、同じ書籍を追加費用をかけずにすべての人が同時に利用できるようになる。
この目標を達成するために、デイジー(DAISY)コンソーシアムの専門家は、主流のEPUB 3仕様内にアクセシビリティ機能を組み込むことの画期的な進歩を主導した。この開発により、包括的な出版の大きな機会が開かれ、出版されたすべての資料が作成された時点からアクセシブルであるという時代に私たちを導く可能性が開かれた。
しかし、現時点では、デイジー(DAISY)コンソーシアムは岐路に立たされている。デイジーコンソーシアムの専門家はアクセシブルな出版の画期的な進歩をリードしている一方で、デイジーコンソーシアムのメンバーとその顧客は、長年投資してきた既存のDAISY技術を引き続き使用している。場合によっては、急速に変化する主流のデジタル出版環境から隔離される場合もある。

主流の標準と技術との統合の必要性は、DAISYメンバーシップ全体で認識されている。多くの実際的な質問が、今後数年間の新しい戦略を策定する必要がある会員団体の生産管理者およびビジネスリーダーによって提起された。

・提起された質問
安定したEPUB 3の製作環境の開発をどのように保証できるか?
アップグレードを開始するのに適切な時期はいつか?切り替えコストはいくらで、どのくらい時間がかかるか?
EPUB 3はビジネスの観点からどのような利点を提供できるか?
EPUB 3は私たちの後援者にどのような利益をもたらすか?
インクルーシブなEPUB 3エコシステムプロジェクト(TIESプロジェクト)への移行は、メンバー組織の専門家を集めてEPUB 3エコシステムへの移行手段を開発することにより、これらの重要な質問に答える

・ロードマップ
プロジェクトロードマップは、メンバーのEPUB 3製作システムへの移行を促進し、インクルーシブな出版システムの開発を計画する。 EPUB 3エコシステムを開発するには、3つのステークホルダーグループが関与する完全なサプライチェーンと連携する必要がある。

・アクセシブルなコンテンツ製作ハウス
オリジナルコンテンツを製作する主流の出版社
アクセシブルなコンテンツを消費するプリントディサビリティのあるユーザー。

したがって、プロジェクトは3つの並列次元で実行される。
生産プロセスとシステム
出版社との関係
消費(リーディングシステム)

・製作プロセスとシステム(PP)
DAISY出版社は、専門のDAISY仕様を使用して、印刷された本の再出版を中心に製作プロセスを構築している。製作プロセスとシステム(PP)サブグループの目標は、新しいEPUB 3ベースのシステムがDAISYコンソーシアムメンバーの既存のニーズを満たすことを保証しながら、既存のDAISY再発行システムをEPUB 3ベースの生産システムにアップグレードするさまざまな方法を特定することである。

EPUB 3仕様は、アクセシブルなコンテンツを主流出版と統合することにより、プロセスをより効率的かつ経済的にする大きな機会を提供している。 そうすることで、DAISYメンバー組織は、既存の再出版ベースのプロセスを、出版社から取得したデジタルコピーをアクセス可能な形式に変換する変換ベースのプロセスに置き換えることができる。
サブグループの実績と活動に関する最新情報については、生産プロセスとシステムのページをご覧ください。

・出版社リレーションシップ(PR)
共同プロジェクトとパートナーシップは、インクルーシブな出版システムを構築するにあたって、最も重要な柱である。このサブグループの作業の詳細については、出版社リレーションズのページをご覧ください。

・リーディングシステム(RS)
リーディングシステムは、高度な仕様の利点を広めることにより、エンドユーザーとのインターフェースを形成するサプライチェーンの最も重要なコンポーネントである。新しい仕様を採用すると、リーディングシステムをアップグレードするオーバーヘッドが発生する可能性があるが、EPUB 3エコシステムは異なる。 EPUB 3は主流仕様であるため、主流のリーディングシステムと主流の出版物を組み合わせることで、プリントディサビリティのある読者はより多くの情報にアクセスできる。
リーディングシステムサブグループの目標は、目、耳、指で豊かな読書体験を提供するリーディングシステムの可用性を高めることである。これは、開発者がプリントディサビリティのあるユーザーに満足のいく読書体験を提供するリーディングシステムを作り出すことを奨励し、オープンソースソリューションの開発に貢献することにより達成される。
このサブグループの実績と活動に関する最新情報については、リーディングシステムのページをご覧ください。

・プロジェクト管理と参加
本プロジェクトは、デイジー(DAISY)コンソーシアムのスタッフとデイジー(DAISY)コンソーシアム会員の専門家が共同で推進している。 活動は、上記で詳述したプロジェクトの3つの側面に対応する3つのサブグループで実行される。
本プロジェクトは、George Kersher氏とAvneesh Singh氏が共同議長を務めている。 議長が運営組織を形成し、各サブグループはサブグループのリーダーが率いる。
プロジェクトへの参加方法や参加者の詳細については、管理と参加のページをご覧ください。
プロジェクトの概要を定義するTIESプロジェクト憲章(2014〜15)は、2013年10月の北京理事会でデイジー(DAISY)コンソーシアム理事会によって承認された。


以上です。

掲載内容について、お気づきの点等ありましたら、info@atdo.jpにお寄せください。

M.A.